大前提として


大前提として人は、
食事したものしか排泄できません。

この論法を敷衍(ふえん)します。


人は、自分が優しくされた方法でしか、人に優しくできない。
人は、自分が救われた方法でしか、人を救えない。
人から受けた愛 しか、人は人に与えられない。
とても悲しいことに。
誰もが誰かの複製。一切は借り物。

人は出会った人によってしか自己を形成できない。

でもそれだけでは世界は余りに窮屈でしょう。

人は見聞きした言葉しか話せません。
でも見聞きした言葉は、
出会った人によるものである必要がない。

「一冊、同じ本を読んでいれば会話することができると思うの。」とは
1980年の新潮文庫のキャッチコピーです。

十冊同じ本を読んでいれば、とても気が合う。

数十冊読んでいれば、大した言葉の応酬もなく、心の底から理解し合うことができる。

最初から話が合う人とは、同じ本を読んでいた可能性が高い。

最初から全く話が合わない場合、相手が全く本を読んでいない可能性が高い。

本は読んだ方がいいのです。
なるだけたくさん読んだ方がいい。
読んだ本の数だけ、言葉が、孤独が通じる人の数が増えるからです。

そして面白い本に出逢ったら、
なるべくたくさんの人に薦めた方がいい。
あるいは大切な一人に贈った方がいい。

それが急速に分断していく世界への、最善の対抗手段だからです。



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読んだ本の中で、お気に入りのコトバたち。

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