多くの人は相手を向上させるために
叱ったり脅したりする。
しかし残念ながら、そういうやり方は
うまくいかない。それどころか、
事態を悪化させるおそれがある。
相手は人間の習性に関する基本原理に従い、
自分に与えられた役割を果たそうとするから、
あなたに非難されると、
相手はあなたが失望していることを
察知し、あなたの低い評価を反映した行動をとるのである。
相手を信頼していることを知らせれば、
相手は自分が信頼に値する人物であることを
証明しようと努める。
私たちはすべての人に対して
同じ人物であるわけではない。
老若男女を問わず、
完全な善人や悪人はいない。
どんな人でも性格的にさまざまな側面を併せ持っている。
たいていの場合、私たちが相手に見せる側面は、
相手が私たちの中から引き出したものだ。
だから、友人が誰かについて「あの人は強情なけちん坊だ」と言っていたからといって、
自分もそういう先入観を持ってその人を判断するのは賢明ではない。
友人はその人の強情な面を引き出したのかもしれない。
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