「環境が人を作る」というおまじない


その会で決まってTさんが私に
何度も言っていたのが

「Mステであの席に座っていたら、

勝手に育つから。環境が人を作る。

みんなそうだった。大丈夫」。

こんな言葉だった。


これをミスした、あれが出来ない、
こんなんじゃやっていけるのか不安、

色んな弱音を吐いていた私に、

おまじないのように言ってくれていた。


正直なんて眉唾物だなあ、なんて

最初は思った (ごめんなさい) 。

勝手に成長するなんて、
そんな旨い話はない。

でも、後々なんとなく

意味が分かっていくことになる。


正確に言うと、もちろん座っているだけで
成長することはない。
「習うより慣れよ」という言葉に
近いのかもしれないが、

周りの人、Mステでいうと

出演されるトップアーティストの皆さん、
そしてタモリさんの立ち居振る舞いを
間近で見たり聞いたりすることによって
学び、だんだんと自分にも身についてくる、
ということだと思う。

なんていったって

お手本になる人ばかりなのだ。


言葉のチョイスにしろ、

質問の答え方にしろ、

コミュニケーションの取り方にしろ、

リアクションひとつ取ったって、

学ぶことばかりだ。


頭の回転が異様に速い人たちばかりなので、

そのスピードに慣れるのだけでも

大変だったけれど。


生放送だから、事前の段取り通りには
行かないことがほとんどだ。

想定していた時間より短くなったり、

長くなったり、

セットの準備に時間がかかったり、

予期せぬことがたくさん起きる。


何が起こっても臨機応変に対応しなくては
いけないという難しさはあるけれど、

出演者に任される裁量が大きいという

面白さもある。

一度カメラが回ったら、

カットも編集も口出しも出来ないから。

番組を楽しいものにするために、

出演者みんなで力を合わせないといけない。


「ここは挟まずにお任せした方がいいな」

とか

「ここは前に行ってもいいんだな」
なんていう現場の空気を読む力というのも、
やっていくうちに分かるようになってきた。


パスを回すのが仕事だけど、

ときたまやってくるゴール前のボールは

思い切り蹴ってもいいとか。


このニュアンスは言葉にするのが難しい!


毎回学びがあって、
一つ出来るようになったら
また課題が見つかって、

もっとがんばらなくちゃと思えたあの環境は

有難いという表現では足りないくらいだ。


Tさんのおまじない「環境が人を作る」を

この巣ごもりの現状に置き換えてみると....、ようやく自分に鞭を打てるような

気がします。


From...

読んだ本の中で、お気に入りのコトバたち。

0コメント

  • 1000 / 1000